心身の不調が続いていた頃に見たインスタの伊勢神宮の写真が神々しくて、心洗われる気がして、一人日帰りで伊勢神宮に行こうと決めていました。
昔、父、母と訪れた伊勢。はじめて見たさざれ石、旅館がイマイチで不機嫌だった父が翌朝の伊勢海老味噌汁で機嫌回復したこと、真珠養殖の筏が浮いた湾の光景、父に買ってもらった真珠のピアス、忘れていた思い出が蘇ります。
でも実際になかなか伊勢に行けないうちに数日が過ぎ、兄に紹介されたギャラリーつついの漆器の個展に行ったら出会ってしまった。小さな丸い三段のお重。丸くて柔らかいフォルムに落ち着いた色の塗り、ふしがアクセントになっている。絶対買わないと決めて来たのに、ギャラリーに来た時点で勝ち目のない勝負。
買うときの言い訳、伊勢に行ったつもりで買おう!伊勢には、不調を治してくださいとすがりに行くのではなく、元気にしてくださってありがとうございます、とお礼詣り行こう、と思います。あの美しい光景が毎日繰り広げられていることを想像するだけで元気になれる気がします。
器を買うって、時間を買うことのようにも思う。作ってくださった方の時間やこもった思いを頂いて、これから一緒に過ごす幸せな時間への期待を抱きつつ、まずは眺めてうっとり。